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まだまだ寒さが肌を突き刺す季節ですが、春はもうすぐそこまでやってきています。春一番が吹き抜ければ、黒鯛師待望の乗っ込みシーズン到来です。気の早い人は、そろそろバッグ内の衣替えに勤しむ頃でしょうか。そんな2012年磯チヌシーズン直前、DAIWA黒鯛ロッドの最高峰として君臨する銀狼王牙が、「銀狼王牙メタルチューン」としてリニューアルデビューしました。
最大の特徴は、「トーナメント磯 極剣」「DXRメタルチューン」に続いて採用された、驚異の高感度と食い込み性能を誇るスーパーメタルトップ。振動伝達性に優れた超弾性チタン合金が微かな「触りアタリ」を持ち手に伝え、かつての常識を覆すしなやかさで、黒鯛が穂先の存在に気づく前に食い込ませてしまいます。カーボンに比べて重量面での不利はありますが、DAIWA独自の「先短&胴長設計」により持ち重りを排除し、穂先の重量を感じさせない軽快な操作性を確保することに成功しました。このマジックの秘密については、前回の磯NAVI vol.89「DXRメタルチューン・第二幕」で詳しくご説明したとおりです。
ブランクスに含まれる樹脂を極限まで抑えて弾力を最大限に引き出す「SVFカーボン」、ロッドを曲げた際に節の継ぎ目で起こる変形を防ぐ「Vジョイント構造」は先代銀狼王牙から継承していますが、今回は新たにX型にカーボン繊維を編み込んだ「Xトルク」を採用し、ブランクスのネジレを追放。三位一体のブランクス構造により、軽くて粘り強く、そして剛性が高いという、まさに死角のない黒鯛ロッドが完成したのです。
しかし、ただ軽くて強いだけでは評価されないのが黒鯛竿の難しさです。もちろん、気難しい黒鯛を繊細に食わせ、大型のダンプカーのような引きに耐えるパワーを備えたものであることが、黒鯛竿の必須条件に変わりはありません。しかし、そこから一歩踏み込み、黒鯛釣りの醍醐味を「味わえる竿」でないことには、優れた竿、銘竿にはなり得ません。

黒鯛釣りを味わう。つまり、他の釣りにはない釣趣を体感できるということです。どんな分野にも指向性というものが存在しますが、黒鯛釣りの指向を集約すると、あえて細仕掛けを用いて魚との駆け引きを楽しむ「繊細さ」と、黒鯛場特有の障害物だらけのポイントで大物と真っ向勝負できる「力強さ」の2点に絞られます。一般的な黒鯛竿は硬さによっていくつかの号数に分けられますが、銀狼王牙メタルチューンに設定した1号と1.2号は、用途を見据えてそれぞれ独自の調子を与えました。
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【1号-52】
1号の竿は瀬戸内に代表される並み穏やかな湾内を中心に多用されるパワーランクです。このようなフィールドにおいて過剰な反発力はむしろ釣趣を損ねるものであり、そこそこの大物を取り込める粘りを備えつつも、繊細かつスリリングなやり取りを楽しめる竿が好まれます。
銀狼王牙メタルチューンの1号は、メタル穂先以降のカーボン部分を肉厚細身に仕上げる「チューブラーパワースリム設計」を採用した、細身&軽量の柔軟調子です。ひとことで言えば「しなやか」。アタリがあって竿を起こすと曲がりがスムーズに胴へ入り、ゆったりと矯めて黒鯛の優雅な引きを楽しめます。全国の一般的なフィールドで使える絶妙のスタンダードバランスといえるでしょう。
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【1.2号-52】
黒鯛竿の1.2号といえば「ちょっと強め」の設定であり、50cmオーバー、ときに60cmも狙えるような釣り場や、テトラ帯あるいは底根の荒いポイントで一気に勝負を決めたいときなどに必要なロッドです。こんなシチュエーションでは、一般的な黒鯛竿の認識である「軟調胴調子」では掛けた直後から魚に遊ばれてしまって話になりません。大型の強い引きを受け止めるだけの粘りを備えたなかで、黒鯛竿らしさを併せ持つ竿が理想といえます。
銀狼王牙メタルチューンの1.2号には、1号とは一線を画すハイテーパーの「マグナムテーパー設計」を採用。大チヌの疾走をいなす十分な粘りを持たせながらも、重心を手元へ近づけることで持ち重りを抑え、張りのあるシャープな調子を与えています。どこまでも粘り強く、バットまで曲げ込んだところで不意に反撃を受けても矯めきれるだけの腰がしっかり残されています。
個性的な2本ですが、これだけの成熟した調子を有したうえで、スーパーメタルトップの高感度と食い込み性能という2つのアドバンテージが上乗せされるわけです。これがいかに凄いことであるかは簡単にイメージしていただけるはずです。
掲載写真のモデルである木村公治さんは「ウキを深く沈めた状態でラインを張っていると、チヌが練りエサを吸い込んだり吐き出したりする様子が手元に伝わってくるんですよ」とまで言います。銀狼王牙メタルチューンを初めて使った人は、小さなアタリを合わせて素バリを引くケースが増えるかもしれません。でも安心してください。ゴソゴソッといやらしい食い方をした黒鯛は、今までアタリを出さずにエサを吐き出していた魚です。

「銀狼王牙メタルチューン」と同時にリリースされたのが、当モデルの3代目となる「NEW銀狼LBD」です。機能面はもちろんのこと、デザイン面でもロッド開発と密に連携して磨き上げたこだわりの一品。実際にセットすると、ブラックを基調とするシックな佇まいが、精悍な「銀狼王牙メタルチューン」と一体となり、そこから放たれる漆黒の威圧感は、思わず息を飲む重厚さが漂います。
ベースとなったのは磯NAVI vol.86でご紹介した「’11 IMPULT」で、主な仕様はこれを踏襲しています。ボディとボディカバー、ハンドルに高剛性&超軽量素材ZAIONを採用し、前モデルから5gの軽量化に成功したと同時に、逆転フリーのレスポンスが飛躍的に向上。ワンウエイオシレーション、滑り出し初期の食いつきを排除したUTD(アルティメット トーナメントドラグ)の採用。ドライブギアなどの駆動系パーツは最高峰の「トーナメントZ ISO」と共用。ここまで書けば、フラッグシップの地位さえ揺るがしかねない驚異的なスペックを土台にしていることがお分かりいただけるはずです。そのうえで「NEW銀狼LBD」には独自のゴージャスな仕様が随所に盛り込まれています。その象徴ともいえるパーツを見てみましょう。
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【NEW銀狼スプール】
従来製品にはないダブルアルマイトブランキングを採用した新形状の専用スプールです。狼の目をイメージしたスリットを全周に配したデザインは、DAIWAテクノロジーが生み出した造形美の傑作ともいえ、「銀狼王牙メタルチューン」とのマッチングは銀狼ブランドの象徴と呼ぶにふさわしい重厚さを纏います。ナイロン1.85号150m巻き。
【アルミ鍛造レバー】
外出しタイプのブレーキレバーで、職人が1本1本手作業で磨き上げるこだわりのパーツです。レバーそのものは「IMPULT」と共用ですが、「NEW銀狼LBD」に装着されるレバーはガンメタル調の専用カラーを採用し、ルックスをキリッと引き締めています。
DAIWAが誇る最先端の技術を惜しみなく投入した黒鯛タックルの最高峰、それが「銀狼王牙メタルチューン」と「NEW銀狼LBD」です。かつてない高感度と指向を絞り込んだ明快な調子、そして見る者を唸らせる美しさ。2012年は、磯チヌ変革の年となるかもしれません。