アングラーの僅かな入力に対してアクションレスポンスを向上させるため固定重心としながらも、ボディデザインとウェイト配置の好バランスがベイトタックルでもストレスのないキャスタビリティを実現。クランクにはないロール主体のタイトアクションながらも、高いカバー回避能力を発揮する。デザイン上では相反する機能を盛り込んだシャッドタイプの意欲作。
急な天候変化や人的プレッシャーによりタフになったバス、また晩秋〜初春の水温が11度を下回る頃の大きな動きに反応しないバスを獲るために、テールの振り幅を抑えたタイトなアクションを追求。必要以上のボトムへのタッピングを抑えた潜行角度とスタックしにくい性能を持たせたリップ形状、止めて喰わせるサスペンド仕様とすることでタフコンディション下での使いやすさを向上させた。
■固定ウェイト キャスト後やアクション後にリップに水を受けさせてレスポンス良く反応させるためには常に安定した姿勢が重要。
■テールのウォブルを極力控えたタイトロール 切れのあるロール主体のアクションできっちりと水を押す為に少し体高のあるボディデザイン。
■トータルバランスでの使いやすさ。 ・固定ウエイトながらベイトでストレス無く扱えるキャスタビリティ ・突っ込み過ぎない潜行角度 ・食わせの「間」を与えるサスペンド設定 ・タフなバスに違和感を与えないサイレント仕様
■国民的バスルアーの一方で ピーナッツ2、T.D.バイブレーションといった国民的バスルアーとも言える大ロングセラーを始め、T.D.の名を冠する各種ルアーやクランクベイトのRPMシリーズなどを擁するダイワハードベイト。時代のニーズやプロスタッフの提案から開発はスタートして、試行錯誤の末にまずはオリジナルモデルを完成。その後、サイズ別・深度別・サウンドの有無など様々なバリエーションを生み出してきた歴史がある。全てはユーザーのニーズに応えるべく挑んできた結果だ。 その一方で、ある一定の状況下において、特筆すべく性能を発揮するストライカーを要する場面も存在する。フィールドのタフコンディション化によって求められたベイトフィネスの一環としてのプラッギングゲームがそれだ。 ■不可能を可能にした赤羽シャッド バサーオールスタークラシック3連覇の偉業を成し遂げた赤羽修弥が求めたのは、ソフトベイトのライトリグをベイトタックルで扱うベイトフィネスだけではなかった。フィールドのタフ化には通常スピニングで扱うリグだけでなく、小型ハードベイトもベイトタックルで扱うことでキャスト精度を高めることを求めたのだ。同時により太いラインの使用を可能にすることでブレイクの危険性を軽減し、安定した巻き感と手返しの良さをも追求できる。現代にはなくてはならない釣りの1つだろう。 その小型ハードベイトの1つはシャッドプラグだった。クランクベイトの大振りなアクションにスレたバスや低水温期の大きなアクションに反応しないバスをバイトさせるには、シャッドが持つロール主体でテールの振り幅を抑えたタイトアクションを要する。また、低活性時のバスに対して自然界に存在しない音を排除し、ナチュラルにアピールするためサイレント仕様とした。赤羽の要求は一見シンプルだが、それを満たすにはルアーデザインの方程式を一から見直すことから始めなければならなかった。 サイレント仕様とはつまり内蔵ウェイトが固定されることを意味している。しかし、その設定となると、テールの振り幅は大きくならざるを得ない。障害物を回避しやすくするためには有効な策ではあるが、赤羽が求めているのはタイトアクションだ。さらには小型ボディで十分な飛距離を稼ぐには、固定ウェイトでは物足りなさが出てしまう。事実、不可能とさえ思える新作構想は困難を極めた。 ダイワと赤羽によるテストは度重なるトライ&エラーを繰り返した。固定ウェイトかつサイレントで、重心移動を搭載したベイトを超える高レスポンス・障害物回避性能・飛距離アップを実現するのが目的だ。ボディやリップのデザインから、重心やラインアイの位置に至るまでコンマ数mmの微調整を繰り返し、ようやく形を見せ始めたのが’10年末も押し迫る頃のことだったという。構想からおよそ1年、綿密な打ち合わせと即時のプロト作成、そして度重なるテストの末に誕生した、不可能を可能にするダイワシャッドの集大成がここに。