ロッドDAIWA
2年に及ぶアラスカでのフィールド・テスト報告
史上最強の超大物本流竿・パワージャンキー開発秘話
27.4ポンド(12.33kg)のキングサーモンに
パワージャンキーのウルトラパワーが爆発。
リポーター・白石勝彦
本格的パワフル本流竿として登場した「遡」の最終試作竿でアラスカのキングサーモンを釣ったのは1999年のことだった。本流竿でキングサーモンをあげるという世界初の試みは、かくしで実証され、遡はその年の秋に高い評価を受けて発売された。そして、そのパワーの確かさから多くのユーザーに愛されてきたのだった。
 しかし、あれから6年の年月が経ち、本流竿には新たなパワフルロッドの必要性が高まっていた。私は99年の経験から次に出す本流竿の中には、ウルトラ級のパワーを持つ竿を是非加えてほしいと望んでいた。そして、ダイワの技術陣に「巨大なキングサーモンがきても絶対に折れない竿を作ってくれ」と要求していたのだ。それにダイワは応えてくれたのである。
 「白石さんが言う、キングにも耐える本流竿です」と言って渡された最初の試作品の名前をみて驚いた。パワージャンキーとある、いかにもパワフルそうなその試作竿を持ってアラスカに行ったのは、昨年の6月である。しかし、そこで私は3発キングをヒットさせながら、全く太刀打ちできなかった。5号の糸を一瞬で切っていくキングに手も足も出なかったのである。しかし、一方で新たな本流釣りの可能性を見つけた。レッドサーモンだ。サイズ的には60〜70cm程度で、サクラマスとそれほど違わないのだが、パワーにおいては比較にならない。猛烈という言葉がぴったりのレッドサーモンの釣りで、パワージャンキーはその真価を発揮したのだ。
 そして、今年2006年6月、リベンジに燃える私は再度アラスカに出かけ、ついに大型キングサーモンをパワージャンキーの最終試作品でゲットすることに成功した。以下は、2年に渡る私のアラスカ・フィールドテストの報告である。
●2005年の記録
画像 北の大地・アラスカはこの時期、雪が解けて美しい景色が展開する。何百とある川にはそれこそ無数のサーモンが遡上し、釣り人のパラダイスと化す。
画像 2005年6月、アンカレッジの北にあるモンタナクリークで、パワージャンキーの最初の試作品を持って釣り場に向かう。私の持つのは巨大なタマアミだが、これでも現地の人は「小さい」という。キングサーモンはものすごく巨大なのだ。
画像モンタナクリークで本流竿を出して、釣り始めると周囲のアメリカ人たちが驚き、注目の的となる。しかし、それでも平然と竿を出していると、突然、キングのアタリ。だが、この広大な場所で縦横に走るキングの疾走を止めることはできず、5号の糸を軽々と切った奴は、悠々と逃げていった。恐ろしいばかりのパワーにこちらもちょっとたじろいでしまった。
画像ここはアンカレッジの南にあるロシアンリバー。レッドサーモンの名場所として名高い。ポイントは対岸で、エンジンのついていないフェリーで対岸に渡る。料金は往復一回8ドル。
画像
ロシアンリバー出合付近はレッドサーモンがいっぱいいる。これを狙って釣り人もいっぱい。まるで東京湾のハゼ釣りみたいなにぎわいで、アラスカにもこうした異常な世界があるのかと思ってしまった。しかし、人は多くてもサーモンの数の方が圧倒的に多いため、これらの人がそれぞれ入れ食い状態である。アラスカの魚影の濃さには驚いてしまう。
画像
とりあえず、空いた場所に入れてもらい、釣り開始。アメリカ人は紳士で、間に入っても「俺の場所に入るな」というようなことは言わない。「どうぞ」と入れてくれる。するとたちまち入れ食い。しかし、引きの強さが半端ではない。サクラマスなどとは次元の違うものすごい引きに、竿を上流に持っていくのがやっとだ。人が多いから下流に走ることもできず、入った場所で力の限り踏ん張って取り込むしかない。このため、竿のパワーは想像以上に要求される。
画像これがレッドサーモン。きれいな魚体で、見た感じはサクラマスに似ている。取り込んだ直後に撮影したが、喜びよりパワーバトルで疲れ切った私の顔は、げっそりしている。ロシアンリバーの制限尾数は一日3尾まで。
画像あまりの細身に最初、竿を見たときは「大丈夫かな」と思ったが、どうしてどうして、ものすごいパワーがある。2005年試作竿の横にレッドサーモンを置いて記念撮影した。
画像リールのない本流竿で取り込んだということで、アメリカ人も興味津々。竿を見せてくれと声をかけられ、そのつど説明する。まさに「オリエンタル・ミラクル」の実演ショー状態だった。
●2006年の記録
画像昨年キングサーモンを狙った川はあまりに広すぎた。だからヒットさせても魚に自由がありすぎて取り込みが難しかった。今回選んだ川は、ご覧のように小さい川である。しかし、ここは海から数kmのため、釣れるキングサーモンは銀ピカのフレッシュラン。パワーは一段とすごいのだろう。我々がポイントに着いたら、早速先行者がキングをヒットさせていた。魚影は濃いようだ。
画像例によってアメリカ人釣り師の間に入れてもらい、キングの本流釣りを開始。パワージャンキーに道糸5号通し、ハリはヒラマサバリに筋子の餌かサーモンフライ、オモリは3B前後を使った。川によって餌釣りが禁止されているところがある。そんな場所は、日本のサケ釣りの仕掛けでハリだけフライにすればいい。フライは現地で1本1〜3ドル程度で安く売っている。道糸は5号でも切られるが、これ以上だと人間が引きずり込まれて持たないだろう。
画像やった。ついに銀ピカの大型フレッシュラン・キングサーモンをキャッチ。しかし、ここに至るまでには言葉に尽くせないほどの苦難の連続だった。前の写真からすでに5時間以上経過してようやくあげたものである。ファイトに夢中で、やり取りのシーンも撮影できなかった。最後に周囲の釣り人に頼んで記念写真を撮ったが、魚がすごく重くて持ち上げるのが大変だった。後で計ったら27.4ポンド(12.33kg)あった。キングとしては大型の部類である。
画像
よくぞ頑張ってくれた、ニューパワージャンキー。左がキング、右がレッドサーモンである。
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